運と実力の間をレビューします。

定価 1300円+税

ページ数 259

著者 木原直哉

初版第1刷発行 2013.6.15

全ての人対象

 

木原直哉と言えば2012年6月にWSOP(世界ポーカー選手権)のポットリミットオマハシックスハンデッドで優勝し、4000万円を獲得すると同時に日本初のブレスレットホルダーになったことで有名です。

しかも東大出で、ポーカープロだったことも驚きでした。

一体どんな人でどんな人生を歩んできたんだろうなと思っていましたが、本屋さんでこの本を見つけて早速買うことにしました。

木原直哉という人がどんな人なのかにも興味はありましたが、ポーカーをどう考えているのかにも興味はありました。

この本は戦術書というよりも読み物で、私の木原直哉氏への疑問を余すところなく答えてくれるものでした。

 

ポーカーというものは日本で言えばギャンブル的な見方があり、あまりいいようには捕らえられていません。

比較的近いのが麻雀なのですが、それよりもマイナーです。

 

しかし私をはじめポーカーに魅せられた人は、ポーカーはただのギャンブル(運ゲー)ではないことを分かっていると思います。

参加するもしないも自由だし、ベッティングラウンドが4回もあってその金額を調節できるので、やはり長期的にみたら実力差は間違いなく反映されやすいのです。

 

この本を読み終えて、著者と自分に幾つかの共通点があることに気づきました。

 

一つは将棋と麻雀も得意なことです。

最近こそ将棋はやっていませんが、以前は道場にも通ったことがあり四段で指していました。

年をとるに従い、将棋の勉強が苦痛になってしまいました。

将棋は勉強しないと勝てないゲームなのです。

麻雀は今でもフリー雀荘へよく行きます。

これは運でカバーできるところもあり四人でやりますから、ごまかしがききやすいのです(笑)

将棋よりも全然楽です。

とは言え、お金を賭けますから真剣味があってやはり疲れますが。

 

一つはポーカーに対しての捉え方は大体一致していました。

ポーカーは実力半分運半分で、常に期待値がプラスになるようなアクションを考え、長期的に見て利益を出すようにするゲームだということです。

つまり投資に近いということです。

投資も常に勝ち続けている人はいなく、勝ったり負けたりしながら勝ち分を増やしていくものです。

またポーカーは運が絡むため、不運なことが立て続けに起こることもあり、その時ティルトにならないように平常心でいられるのも重要だと言っていました。

 

負けている時はプレイを変えてはならず、勝っている時はプレイを変えていいというところにも、正しい考え方だと共感できました。

 

一つはやはりオンラインポーカーに対して、この時代インターネットに繋がる環境があれば、いつでも誰でも多くのハンドを経験できますし、そのプレイを省みることもできますので、その重要性も語っていました。

木原氏自身がネットポーカーで腕を磨いたと言っていました。

ネットポーカーといい、ネット麻雀といい、誰でも短時間で多くのゲームをこなせそれを再現できるのはまさにデジタル革命の賜物で、全体のレベルを飛躍的にアップさせたと思います。

 

最後に勘違いしていた点が、私は木原氏はポットリミットオマハを最も得意としていて、ホールデムはあまりやらないイメージがあったのですが、そんなことはなくたまたま参加して優勝したのがポットリミットオマハだっただったというところです。

この本を読んだ限りではむしろホールデムをメインにしている感じでした。

私の感じとしてはポットリミットオマハの方が随分難しく、よくこのゲームで優勝できたなとしきりに思いました。

 

この本を読んで、木原直哉氏がより身近になった感じがしますので、これからも応援していこうと思います。

木原直哉氏は私もよく遊ぶポーカースターズとの契約プロでもあります。

kiharanaoya

 

ポーカーは人生にも通うずるものがありますので、この本はポーカー上達の手掛かりになると同時に、人生を上手く歩むヒントにも繋がると思います。

おすすめの一冊です。

 

運と実力の間