2025.12.19(金)日銀が政策金利を0.25引き上げ0.75にすることを決定しました。前回言ったように植田総裁は1日に利上げをほのめかして、高市総理も容認の姿勢を示していました。通常このように事前に漏らすことはあり得ないのですが、株式市場への忖度があったのではないかと思われます。よって市場は既に織り込み済みで、私は恐らく為替は大きく変動しないだろうと思っていました。しかし逆に1円以上安くなったのには驚きでした。これはアメリカとの金利差がまだ2.75~3%もあることと、来年も大体2%は維持されるだろうという市場の安心感から円を売る動きに出たのではないかと思います。


これはドル/円の日足ですが、先日の決定会合でドルが急激に上がりました。

長期金利は2.09に急騰しました。アメリカで0.25下げ、日本で0.25上げて金利差が縮んだにも関わらず円安の方向へ進むのですから円は想像以上に弱くなっているのかもしれません。そもそも物価上昇率3%、政策金利0.75%でその差の実質金利-2.25%なんて言う政策を取っているのは日本だけですから。こうなるとドル円相場はほぼアメリカの要因で動く感じです。そこで注目したいのがトランプ大統領の関税訴訟の判決ですがどうも政権側の敗色が濃厚で年明けにも言い渡されるようですが定かではありません。もしそうなるとドルは一気に下がると思います。政策金利を上げたことによるリフレ派高橋洋一氏の意見を見てみます。

高橋洋一

総合3.0だったのが2.9に下げっている、6.4だったのが6.1に下げっている、エネルギーは2.1から2.5に上がっているけど、食料品とエネルギーを引いたコアは1.6。何でこんな時に上げるのか?日銀の当座預金に金利がつくのは酷い、この金は国民の減税などに使うべきだ。

これに対する私の意見

コアが1.6というものの国民にとって一番重要なのがやはり生活に直結する食料品とエネルギーだから総合で見るべきである。食料品の6.1%はあまりにも高過ぎるし、先にも述べたように実質金利-2.25%なんていう政策を取っているのは日本だけなので、本当に日本の経済を強くしたいなら少しずつでも金利を上げて世界の水準に近づけていくべきである。日本だけいつまでも緩和した環境でいるとそれだけで経済が追いつかなくなるし、失われた30年の原因はそのもそもこの緩和し続けた環境にあると思っている。日銀の当座預金に金利がつくのは正常なことで、ここから国民の預金の金利が付くのはいいことである。基本的にただというのはあり得ず、それは金の貸し借りにも当てはまることであるから金利は世界水準に合わせるべきである。でないと円が信用できなくなる。よって今回の利上げは正しい判断だったと思うし寧ろサプライズで0.5上げてても良かったと思う。その上で金利をどんどん上げていく姿勢を見せればドル/円相場は恐らく反転していったのではないかと思います。本当はトランプ関税を懸念しすぎて遅すぎたと思っています。

高市早苗総理の指示率は73%で政権発足から70%を超える支持率を誇っています。しかし積極財政を掲げる総理に対して与党内からも「財政規律が緩む中でその副作用をどうするか対応が必要だ。」という懸念する声があり、立民からも「円安によって物価高が加速する」という声もあります。私もそう思い、この政府になぜ73%も支持率があるのか分かりません。多分多くの国民が想像以上にバカなのだろうと思っています。